北海道中富良野町様 導入事例

美瑛・富良野という広大なエリアの真ん中に位置している中富良野町。富良野盆地の自然と景観に恵まれた小さな町です。多くの方が「ラベンダー」の町として認識している中富良野町ですが、近年若者の移住者が増え、ラベンダーだけではない中富良野町の魅力を知ってほしいと様々なことにチャレンジしています。町民からの信頼も厚い中富良野町で、体験型カタログギフト「ここのこと。」導入前後にどんな変化があったのか、一緒に作ったなかふらの観光協会(当時)の大水さんにお聞きしました。(更新日:2023年3月31日)

町について

農業とラベンダー観光発祥のまち、北海道の真ん中、北海道空知郡中富良野町

~農業と観光のまち~
北海道空知郡中富良野町。人口約4,700人。総面積の約44%が田畑という長閑な町。 地元の人は、我が町のことを「なかふ」と呼ぶ。

泥炭地ということもあり、かつて昔は、周辺地域の中で土壌の質が一番良くない場所が「なかふ」だった。作物がなかなか育たない中、先人たちによる開墾や土壌改良を重ね、今では「つくれない野菜はない」「どんな野菜も、美味しい」と言われるほど、多くの美味しい野菜がつくられる「農業のまち」となっている。

ラベンダー観光が始まったのは、昭和の終わり頃。香料の輸入化により、香料としての価値を失ったラベンダー畑はだんだん姿を消していった。そんな中、「ファーム富田」の創設者である故・富田忠雄氏が大切に守ってきたラベンダー畑の風景が国鉄のカレンダーやドラマ「北の国から」で取り上げられ、多くの方の目に留まり、ラベンダーシーズンには約100万人以上が訪れる「観光のまち」となっている。

農地の土のように、こつこつと耕し、つくりあげられてきた「なかふ」。豊かな農地やラベンダー畑の裏には、まちをつくってきた人の歴史や想いが溢れている。たくましくも、やさしい「なかふ」の人に出会ったなら、きっとまちを好きになるはず。

カタログギフトを作るきっかけ

なかふの人や暮らしのこと、「ここのこと。」を通して、おすそわけしたい。

「中富良野町=ラベンダー」のイメージを持たれている方は、きっと多い。恥ずかしながら、私自身も、「なかふ」への移住前までは「ラベンダー」のイメージしかなかった。しかし、「なかふ」へ移住してから様々な体験をしたり、町内のおもしろい方々と出会ったりするうちに、「ラベンダーはもちろん大きな魅力だけれど、他にもたくさん『なかふらしい』魅力があるじゃないか!」ということに気がついた。

「なかふらしい」魅力を感じているのは、町民の方々も同じ。観光協会と町民のみなさんとワークショップを開き、「なかふらしさ」について話し合った際、魅力的な体験やスポット、人が地図いっぱいに書き込まれた。

「町民の方々の感じる『なかふらしさ』を町外の方におすそわけしたい」、「『なかふ』には魅力が溢れている」と思いつつ・・・いざ町外の方から「中富良野町って、ラベンダー以外は何もないよね?」「何かあるの?」と聞かれた際、上手く伝えることが出来ず、もどかしく、悔しい思いをしていた。

そこで「ここのこと。なかふらの」という目に見える形で情報をまとめ、33の体験プランを通し、「なかふ」の人や暮らしの魅力を体感していただくことにした。

カタログギフトを作った後の効果

「旅人」から町の「ファン」へ。少しずつ広がる、「なかふ」の輪。

「ここのこと。なかふらの」は、一般販売の他にも、ふるさと納税の返礼品として登録したり、移住モニターツアーで活用したり、イベント等での販売を行っている。2023年1月頃から運用を開始したが、今は予約が入り始めたばかりの段階であり、「どのような効果が見られるのか」は、実はこれからのところが大きい。

しかし、最近とても嬉しい出来事が。移住モニターツアーの参加者がすっかり「なかふ」のファンになり、購入した「ここのこと。なかふらの」を知人にプレゼントしてくれたという。「『なかふ』のことを好きになってほしい」と、「ここのこと。なかふらの」をプレゼントされた知人は、実際に今度中富良野町を訪れる予定である。一人の旅人が、「なかふ」のファンとなり、また別の旅人へとバトンを繋ぐ。「ここのこと。なかふらの」がその架け橋になっていると感じた出来事だった。

今後も、「ここのこと。なかふらの」を通して、「なかふ」のファンづくりや輪を広げていきたい。

今後の展開

まちの方々が、心から「おもしろい」と感じ、広げていただけるように

「ここのこと。なかふらの」の販路の拡大や、購入時の決済方法を充実させる等々、まずは今作成したばかりの「ここのこと。なかふらの」を届けたい方々へ届けられるよう、整えていくことが課題だと感じている。

また、まだまだ地域の方々に「ここのこと。なかふらの」の内容や魅力を伝え切れていないとも感じている。まずは、地域の方々に「ここのこと。なかふらの」のことを知っていただき、心から「いいね」と思っていただくことで、地域のみなさんと一緒に盛り上げていきたい。 また、「ここのこと。なかふらの」を通じて、地域と利用者をきちんと繋いでいくことができる人材育成も同時進行で行いながら、地域の方々とも相談しながら考えていきたい。

町の情報

町名:北海道空知郡中富良野町

担当部署:一般社団法人なかふらの観光協会

HP URL:https://nakafukanko.com

電話番号:0167-39-3033

営業時間:8:30~17:00

ここのこと。なかふらの

発行日:2022年12月1日

発行者:中富良野町

編集者:一般社団法人なかふらの観光協会、合同会社ココ企画